TlP構法

TlP構法では、斜め板材と土台の桧、そして4寸柱、横架材は一体化の構造となる。
柱端部、土台及び、横架材は、ガセットプレートにて剛性が高められ、更には引き抜き対応されてゆく。
木造在来工法において、木の一般的筋交いを引っ張り側に有効とする構造は、稀と言える発想です。
材木が引っ張りに対して強い材料である事は認識されていても、筋交い接合部が引っ張り力に対し、強度確保が難しいとされて来たからです。

その開発が、東京工芸大学にて、実大試験を繰り返し行い進められて来ました。
上西秀夫氏は、名誉教授を兼務されながら、数々のTlP構法の実大試験を重ね、裏付けを取りながら耐震と粘りを建築に取り入れて来られました。

これは、平成26年10月に岐阜県の森林文化アカデミーにて、二日間にわたって行われた実大内面せん断試験時の立ち合い写真です。

こちらの本は上西東京工芸大学名誉教授の著書です。
創英社/三省堂より出版されております。
専門的力学内容ですが、家の安心の為に手に取られてみる事をお薦めします。

TlP構法は今さら申し上げる迄もなく、柱端部と横架材にガセットプレートを設け付け、剛性と引き抜きに対しても強化する。
筋交いが引っ張り側に対して有効になる構法です。
筋交いが圧縮にも引っ張りにも引き抜きにも効き、柱端部と横架材の剛性強化に高い性能を発揮している。

正に一石二鳥です。

耐震強度を面で取る効果を秘めておきながら、壁体内の材木の呼吸も促している。
この様な、力学的にも構造的にも耐震性に良い工法が何故もっと広がらないのかと首を傾げる。
それは造り手にあると考えます。
工務店側が嫌遠している。
何故ならば、初期計算強度を合板系面材でもっと早く出した方が楽にアピール出来る。
煩わしく手間の掛かる事は避けたいと考えるのだろう。
運搬もかさばって大変そう、構造力学の専門家がいないから設計が面倒そう、
斜め木材板が多く必要となる等々を工務店側が否定的に見てしまい、積極的に進めようとしない。
しかしながら、お施主様側からは耐震実績も踏まえて高い評価を頂いているのは事実なのです。

平澤建築事務所は全棟がTlP構法です。
木造在来工法では呼吸する構造と耐震の相性が良い。
合板でガチガチに固めたものと違い、粘りのあり強さを秘めている事はデータ曲線でも解ります。
工務店の専門職の人ならそれを理屈抜きに感じているはずです。
構造全体の馴染みが良いのです。無駄や無理があるうわべのデザインには違和感を感じる。

本物には美しさがあります。
これからもつくり手の都合からでは無く、住まう人側に立ち、耐震性の高い家を造り続けて参ります。

   平澤建築事務所
     平澤政利

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